養育費はどのくらいが相場?どうやって決めればいい?
養育費がどのくらいもらえるのか不安。相場はあるの?
離婚して子供と一緒に暮らすためにまず必要になるのがお金。離婚で子供の心を少なからず傷つけてしまったという自責の思いと、今後の生活のことを考えると不安になってしまうのは当然です。
子供を健やかに育てるのは両親の義務。
養育費をいくらにするのか、何歳まで払うのか夫婦でよく話し合いましょう。
養育費について
養育費は、離婚後に子どもを養育する親が、もう一方の親から受け取る金銭的支援です。
子どもを扶養する義務は両親にあり、離婚後も双方がその経済力に応じて子どもの養育費を分担する必要があります。
養育費には、子供を育てるための生活費用一式を含みます。例えば、生活費・教育費・医療費・交通費・遊興費・小遣い等です。
養育費の算定要素
養育費をいくらにするのかは以下の要素を考慮して決定します。
- 両親の収入
- 子どもの人数と年齢
- 養育にかかる費用
離婚後も、親には自分と同レベルの生活をさせる義務があると考えられているため、収入の多いほうの親と同程度の生活ができるだけの金額が目安になります。
子供を引き取る側の親はいくら必要になるのか試算してみることが大切ですし、支払う側は自身の生活のことも考えどの程度までなら支払えるのか夫婦でよく話し合い養育費の額を決めていきます。
子供を私立に行かせるのか、公立にするのか、医学部や薬学部に進学するとなれば費用もかかりますし子供が海外留学を希望することがあるかもしれません。
子供の年齢がある程度大きい場合は、本人の将来の希望も聞いて決めていきましょう。
養育費の相場は?
裁判所が公表している養育費算定表を目安に決めていくのも1つの方法です。
例えば、
- 会社員夫の年収500万円、妻無職、小学生の子供1人の場合 →養育費6~8万円
- 会社員夫の年収500万円、妻の収入300万円、小学生の子供1人の場合 →養育費4~6万円
- 会社員夫の収入800万円、妻無職、小学生の子供2人の場合 →養育費14~16万円
- 会社員夫の年収800万円、妻無職、小学生の子供3人の場合 →養育費16~18万円
15歳以上の子供がいる場合は、子供の学費などで費用がかかるため2~4万円ほど養育費の額も増えます。
養育費の支払いはいつまで?
養育費は子供が20歳になるまで支払われることが多いです。
これは2022年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられた後も変わっていません。
ただし、養育費の支払い期間は一律に決まっているわけではなく、子供の状況や親の事情によって柔軟に取り決められます。
以下にいくつかのケースを説明します。
- 大学進学の場合 →子供が大学に進学する場合、20歳を過ぎても経済的自立が難しいため、支払い期間が延長されることがあります
- 早期就職の場合 →子供が高校卒業後すぐに就職するなど、20歳前に経済的に自立した場合は、支払い期間が短縮されることがあります
- 障害・持病がある場合 →子供に障害や持病があり、20歳を過ぎても経済的・社会的に自立できない場合は、支払い期間が延長されることがあります
- 再婚の影響 →養育費を支払う側や受け取る側が再婚しても、原則として養育費の支払い義務はなくなりません。ただし、受け取る側が再婚し、新しい配偶者と子供が養子縁組をした場合は、養育費が減額・免除される可能性があります。
養育費の支払い期間は、離婚時に取り決めることが一般的ですが、子供の進路や将来の状況によって変更が必要になる場合もあります。
そのため、進学のタイミングなどで再度協議することも視野に入れておきます。
公正証書にしておくと安心
養育費のように長期間支払いがあるものは、途中で支払いが滞ってしまうと生活が不安定な状態になってしまい大変です。
そのため話し合いがまとまったら公正証書に残しておくことをおすすめします。
公正証書にしておけば、万が一支払いが滞ったとしても裁判を起こすことなく、相手の財産や給与を差し押さえるなど強制執行が可能になります。