穏便に不倫慰謝料を請求できる!?内容証明郵便とは?

不倫慰謝料を請求したいけど、裁判みたいな大ごとにしたくない。早く解決したい・・・

配偶者の不倫が発覚した場合、頭の中がパニックになってしまって何をどうすればいいのかわからなくなっていまうのは自然なことです。

ある日突然不倫の事実を知ってしまったケース、ふとしたきっかけがあり、ある程度の時間をかけて事実に辿り着いたケースのどちらにしても考えなくてはならないのは配偶者に対する対応と、不倫相手に対する対応です。

夫婦である以上、お互いに貞操義務があります。貞操義務とは、配偶者以外の人と性的関係をもたないという婚姻関係において根幹をなすルールです。

不倫はこの貞操義務違反となり、民法上で不法行為にあたります。そのため配偶者と不倫相手は共同で不法行為を行ったことになり、両者に慰謝料を請求することが出来るのです。

不倫相手に慰謝料請求できるケース、できないケース

不倫相手に慰謝料を請求する場合、法律上の不法行為の要件を満たしている必要があります。

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。e-Gov法令検索

この場合の故意とは既婚者であることを知っていたこと、過失とは通常の注意をしていれば相手が既婚者であると認識できたことを意味します。

ですので配偶者であるあなたの夫(妻)が独身であると嘘をついたため既婚者であることを知らず、また知らなかったことに過失がない場合は不倫相手に慰謝料を請求することはできません。

反対に、同じ会社で働いていて同僚や上司と部下のような関係だった場合は、既婚者と気付かなかったことに過失があったと言うことになります。

慰謝料が請求できない場合は他にもありますので、下記の記事を参考にしてみてください。

慰謝料が請求できないときってあるの?

慰謝料は相手からの不法な行為に対して、精神的苦痛を受けたことへの償いのお金として支払われるものです。 不倫してるっぽい、何か怪しい気がする・・・という曖昧な動機…

慰謝料の請求ができる場合に広く一般的に内容証明郵便が使われています。

もちろん不倫相手と直接話をして慰謝料の金額を決めたり、約束事を取り決めることもできます!

内容証明郵便とは

内容証明郵便とは

内容証明郵便とは郵便局が内容文書について証明するサービスです。一般的な書留は郵便物の引受けから配達までは記録してくれますが、文書の内容までを記録してくれるわけではありません。

内容証明郵便にすることで、誰が、誰に、いつ、どのような内容の文書を送ったかを日本郵便が証明してくれます。

郵便局で謄本が5年間保管されるため、のちのち裁判になったときに証拠として使用することができます。

全くの余談になりますが、20年ほど前に放映されたドラマ「カバチタレ!」で不当解雇を言い渡された常盤貴子演じる希美に、深津絵里演じる栄田がサササーっと内容証明を作成して無事難を逃れたというシーンがありました。かっこよかったなー

カバチタレ!
「カバチタレ!」より

現在ではe内容証明(電子内容証明)があり、インターネットを利用して24時間内容証明郵便を発送することが出来ます。

電子内容証明のほうが、送れる文字数が多く安価なので便利!

内容証明郵便に法的義務はない

内容証明郵便は通知や請求の事実を証明する手段として有効ですが、それ自体が法的義務を生じさせるわけではありません。

法的な効果を期待するというよりも、相手に対して強いメッセージを伝え、自主的な対応を促す効果を期待して利用されることが多いのが現状です。

そのため内容証明郵便を送ったからと言って必ず慰謝料が振り込まれるわけではありませんし、裁判所の判決ような法的拘束力はありません。

ただ不倫の対応として作成された内容証明郵便が弁護士や行政書士などの差出人から来た場合はどうでしょうか。

専門家によって作成された内容証明郵便を相手に送ることで、一定の心理的プレッシャーを与えることは可能ですしこちらの本気度も伝わりやすくなります。

内容証明郵便に記載する内容

内容証明郵便に記載する内容

せっかく内容証明郵便を送ったとしても、その内容が曖昧なものであったり強迫的な文言を使用したりしていた場合は新たな問題が出てきます。

要点を明確に、わかりやすく簡潔に書きましょう。以下のようなことに気をつけます。

  • 不貞行為の事実関係
  • 慰謝料請求の根拠
  • 請求金額
  • 支払期限
  • 支払方法

作成するときは、正確な事実を記載します。感情的になってしまう気持ちもわかりますが、ただただ自分の気持ちを相手にぶつけるような表現は避け、客観的な記述を心がけるようにしましょう。

法的根拠を明確にし、請求金額や支払い方法も明記します。

内容証明郵便を送るには相手の氏名・住所が必要になります。相手の勤め先や年齢がわかればある程度の収入がわかるので、支払いが可能な範囲で請求金額を決めましょう。

精神的な苦痛を受けたのだからと何千万も慰謝料を請求したとしても、相手に支払い能力がなければ意味がありません。

費用

内容証明郵便は、直接郵便局の窓口で送付する方法と、インターネットを利用する方法の2つあります。

どの郵便局でも扱っているわけではなく、集配郵便局および支社が指定した郵便局になるためあらかじめ確認しておく必要があります。

送る枚数にもよりますが、どちらの方法をとっても1,000円~2,000円ほどになります。

いつ届いたのか明確にするために「配達証明」で送りましょう!

専門家に依頼する意味

専門家に依頼する意味

不倫対応を依頼する場合、まっさきに思い浮かぶのは弁護士でしょう。

弁護士は不倫相手との代理交渉が可能ですし、訴訟に発展したときにもこちらが有利になるよう尽力してくれます。一貫してお願いすることで力強い味方となってくれることは間違いありません。

ただ弁護士はその高い専門性ゆえ報酬も高額になりがちです。

訴訟に発展するまでは考えてない、不倫の事実を大ごとにしたくないと考え行政書士に依頼する方もたくさんいます。

行政書士は裁判に関する事務や代理交渉はできませんが、示談書や内容証明を作成することができ比較的費用を抑えることが出来ます。

ご自身で不倫相手と交渉すれば費用はかかりません。

どういった解決方法を選択するのか、ご自身の気持ちや経済的事情も考慮して最適な方法を選んでいきましょう。