養育費の増額はできる?
子供が私立学校へ行きたいと言ってる。私の収入では難しいから養育費の増額をお願いしたい・・・
離婚時に養育費の額を決めていても、子供を育てていく中で予想外のことが起こるのは当たり前のことです。
やむを得ない事情がある場合は養育費の増額を請求することが出来ます。
養育費の増額が認められるケース
養育費の増額が認められるのは、おもに以下のようなケースのときです。
- 受け取る側の収入減少
- 支払う側の収入増加
- 子供の教育費の増加
- 子供の医療費の増加
順番に説明していきます。
➀:受け取る側の収入減少
養育費を受け取る親が、予測できなかった理由で収入が減少した場合。
例えば、会社の倒産やリストラによる失業、病気やケガで働けなくなったケースなどが該当します。
②:支払う側の収入増加
養育費を支払う親の収入が著しく増加した場合、子どもの養育に必要な費用の分担割合を見直す必要があると判断されることがあります。
逆に言うと、支払う親が失業や倒産などで収入が減ってしまった場合は養育費の減額請求をすることもできます。
③:子供の教育費の増加
子どもの進学により教育費が増加した場合。
例えば、私立学校への進学や大学進学、塾や習い事にかかる費用が増加したケースなどが該当します。
④:子供の医療費の増加
子どもが病気になり、相当の医療費が継続的にかかるようになった場合。
ただし一時的なケガや病気などで短期間の医療費がかさんでしまった場合は相手に事情を説明し援助してもらうことで済むこともあります。
これらの条件に該当する場合でも、増額が認められるためには、当初養育費を取り決めたときには予測できなかった事情の変更であることが重要です。
また、支払う側の親の収入から見て増額分を支払える見込みがあることも必要です。
増額を求める側は、これらの事情変更を示す具体的な証拠(収入に関する資料、学費の金額がわかる資料、医療費の診断書や診療明細書など)を準備することが、増額を認められやすくするポイントとなります。
養育費の増額を求めるには?
養育費の増額を求めるための手続きは、以下のステップを踏んで進めます。
話し合いによる解決
まずは、相手に直接養育費の増額を求めます。
この際、経済的に苦しい現状や子供の将来のために必要な費用を具体的に説明し、協力を求めます。
合意が得られた場合は、書面で合意内容を記録し、公正証書を作成すると法的な強制力が高まります。
家庭裁判所へ申し立て
話し合いがまとまらない、連絡しても無視されるといった場合は家庭裁判所へ「養育費の増額調停」を申し立てます。
調停では、裁判官や調停委員が間に入り事情の変更があったかどうか、増額が妥当かどうかを話し合います。
調停で合意に至らない場合は審判に移行し、裁判官が判断を下します。
増額したい理由と根拠をきちんと説明できるようにしておきましょう。