年金分割の手続きはどうすればいい?

年金分割の手続きってなんだかめんどくさそう・・・。気をつけることはあるの?

年金分割の手続きは年金事務所へ申請をします。

合意分割のときと、3号分割のときとでは流れが少し違いますのでそれぞれ説明していきます。

合意分割の請求をする場合

合意分割による請求の流れは、大まかに言うと以下のようになります。

  • 情報通知書の交付を受ける
  • 当事者間で話し合う
  • 年金分割の請求を行う

➀情報通知書の交付を受ける

まずは年金事務所で情報通知書の請求をします。当事者のどちらが請求してもかまいません。

分割の期間や、保険料の支払金額などを正確に把握するために年金事務所に情報を提供してもらいましょう。

情報通知書の請求は離婚前でもすることができます。

年金事務所へ行き、「年金分割のための情報提供請求書」に以下の書類を添えて請求します。

  • 基礎年金番号またはマイナンバーを明らかにすることができる書類
    ・請求書に基礎年金番号を記入するとき → 請求者の基礎年金番号通知書または年金手帳等の基礎年金番号を明らかにすることができる書類
    ・請求書に個人番号(マイナンバー)を記入するとき → 個人番号カード(マイナンバーカード)等
  • 婚姻期間等を明らかにすることができる書類
    ・それぞれの戸籍謄本(全部事項証明書)、または戸籍抄本(個人事項証明書)のいずれか(発行から6ヶ月以内)

離婚公正証書に年金分割の内容を入れたい場合も情報通知書や年金手帳が必要です!

年金事務所によっては情報通知書の発行に4週間ほどかかる場合もあります。余裕を持って準備しておきましょう。

②当事者間で話し合う

②当事者間で話し合う

夫婦で年金分割についての割合を話し合い、合意します。

余程の理由がない限りは50%になりますが、話し合いがまとまらないときは家庭裁判所の調停等による手続きを利用します。

話し合いにより割合を定めた場合は次のうちどれかを書面に残しておきます。年金分割の請求をする際に必要になります。

  • 公正証書の謄本または抄録謄本
  • 公証人の認証を受けた私署証書
  • 年金分割することおよび按分割合について合意している旨を記入し署名した書類(年金分割の合意書)

年金分割の合意書の場合は、原則二人そろって年金事務所へ行く必要があります。

③年金分割の請求を行う

合意分割の請求は離婚後に行います。

➀で行った情報通知書の請求とはまた違う手続きになります。以下の書類を揃えて請求します。

  • 基礎年金番号またはマイナンバーを明らかにすることができる書類
    ・請求書に基礎年金番号を記入するとき → 請求者の基礎年金番号通知書または年金手帳等の基礎年金番号を明らかにすることができる書類
    ・請求書に個人番号(マイナンバー)を記入するとき → 個人番号カード(マイナンバーカード)等
  • 婚姻期間等を明らかにすることができる書類
    ・それぞれの戸籍謄本(全部事項証明書)、または戸籍抄本(個人事項証明書)のいずれか(発行から6ヶ月以内)
  • 請求日前1カ月以内に交付された当事者2人の生存を証明できる書類
    ・それぞれの戸籍謄本(全部事項証明書)、戸籍抄本(個人事項証明書)または住民票のいずれかの書類
  • 年金分割の割合を明らかにすることができる書類

日本年金機構のHPに詳しく掲載されていますので、参考にしてみてください。

請求方法や必要書類、混雑状況などあらかじめ年金事務所へ連絡をし確認しておくとスムーズに進められますよ!

3号分割のみの請求の場合

3号分割を行う場合は、3号被保険者本人が単独で請求できるため手続きが簡単です。

年金事務所で「標準報酬改定請求書」に以下の資料を添えて提出します。

  • 年金手帳(基礎年金番号通知書)またはマイナンバーカード
  • 婚姻期間を証明する戸籍謄本
  • 生存証明書類(戸籍謄本)
  • 事実上の離婚状態を証明する書類(住民票など)

手続き完了後、約2~3週間で「標準報酬改定通知書」が郵送されます

年金分割の際、気をつけること

年金分割の際、気をつけること

年金分割するにあたって気を付けなくてはいけないこともあります。

  • 請求期限がある
  • 戸籍謄本や情報通知書の取得に時間がかかる
  • 必ずしも年金分割できるとは限らない

年金分割の請求期限は原則として離婚した翌日から2年以内です

また年金分割したとしても、実際に年金がもらえるのは自分が年金を受給できる年齢に達してから。すぐにお金が振り込まれるわけではありません。

年金分割は厚生年金のみ分割されるので、配偶者が自営業者や個人事業主の場合は年金分割できません。

例えば夫が自営業者、妻が会社員の場合、夫から請求されたら妻は年金を分割しなくてはならない可能性もあります。