年金分割についてざっくり知りたい!
離婚するとき年金を分割できるって聞いたけど、よくわからない・・・。大まかでいいので知っておきたい!
専業主婦として長く婚姻生活を続けてきた人は、離婚後の生活費に加えて、将来もらえる年金についても気になるところだと思います。
年金分割は申請しないともらえないので、自分はどの申請手続きをするのかなど年金制度について知っておくと安心です。
年金分割とは
年金分割とは、離婚時の年金格差を減らすため、年金額の多い人から少ない人へ婚姻期間に応じて年金を分ける制度のことです。
昨今の熟年離婚の増加や男女間の給与の格差などを背景に、婚姻期間中の厚生年金保険料の納付記録を夫婦間で分割できるようになりました。
これにより、年金額の少ない配偶者の生活不安を軽減することが期待できます。
分割できるのは厚生年金のみになります!
年金分割の種類
年金分割には「合意分割」と「3号分割」の2種類あります。
合意分割
合意分割とは夫婦間の話し合いで按分割合を決める方法です。
合意分割
対象期間:婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)
按分割合の決定:夫婦間の合意または裁判手続き
一般的な按分割合:特別な事情がない限り、ほとんどの場合50%(2分の1)で合意されることが多い
請求期限:離婚から2年以内
夫婦間で話がまとまらないときは、家庭裁判所の調停等による裁判手続きを利用します。
3号分割
3号分割とは3号被保険者が請求できる分割方法です。
3号被保険者とは、以下の特徴を持つ国民年金の被保険者区分です。
- 20歳以上60歳未満の配偶者(主に専業主婦や主夫)
- 厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている人
3号分割
対象期間:2008年4月1日以降の第3号被保険者期間
対象者:第3号被保険者(専業主婦や年収130万円未満の配偶者)
分割割合:自動的に2分の1(50%)
請求期限:離婚から2年以内
3号分割は、専業主婦(夫)や低収入の配偶者を保護するための制度で、比較的新しい制度です。配偶者の合意は必要ありません。
まとめると、以下のようになります。
合意分割 | 3号分割 | |
---|---|---|
対象期間 | 婚姻期間全体 | 2008年(平成20年)4月以降 |
分割方法 | 夫婦間の合意または裁判所の判断 | 自動的に2分の1の割合で分割 |
手続き | 離婚後2年以内 | 離婚後2年以内 |
合意分割と3号分割は併用可能です。
2008年以降に専業主婦が離婚する場合、3号分割できる(相手の合意なし)のは2008年以降の婚姻期間についてのみ。2008年以前の婚姻期間については相手の合意が必要なので注意しましょう。
合意分割と3号分割のどっちがいいの?
合意分割と3号分割のどちらを申請するかは具体的な状況によって異なりますが、一般的な傾向として以下の点が挙げられます。
【合意分割】
- 婚姻期間が長い人(併用)
- 個々の状況に応じた柔軟な対応をしたい人
- 共働き夫婦
【3号分割】
- 2008年4月以降に結婚し、ずっと専業主婦(夫)の人
- 2008年4月以前は働いていて相手より収入が高かったが2008年4月以降は専業主婦になった人
総じて、一般的には合意分割の方が有利とされるケースが多いですが、特定の条件下では3号分割が有利になることもあります。
具体的な状況に応じて、どちらの分割方法が適しているかを検討することが重要です。